こんにちは、さとぴです。
今日は、大阪の西成区にあるあいりん銀行さんについてのニュースで
あいりん銀行、清算終了へ 休眠口座に3億円超 「労働者のため使って」・大阪
jiji.comより引用
というちょっと難しいニュースが流れてきました。
- 清算終了？
- 休眠口座？
- 労働者のために使って？
背景が分かっていないと少し難しいので解説していきます
あいりん銀行の設立理由
あいりん地区の形成を知ると分かりやすいのですが、簡易宿所（かなり割安で、利用者は浮浪者などが多い。500円～1500円くらい）が乱立していく中で、日雇い労働者が多い町となり、日雇い労働者を求める業者も集まり、スラム的な町が形成されたと考えられます。
日雇い労働者は身分証を持たない方も多く、通常の銀行口座が開設できません。銀行が開設できないと貯金ができませんから、いつまでたっても日雇い労働のサイクルから抜け出せず治安も良くならないということから、行政の支援として1962年に設立された「あいりん貯蓄組合」（通称あいりん銀行）にお金を預けることができるようになりました。なので、正確には銀行ではありません。
休眠口座とは
休眠口座とは、預金者が何らかの理由で触られなくなった口座です。
- 本人が死亡した
- 結婚や引っ越しで使わなくなった
など、様々な理由が考えられます。全国で800億円あると言われており、これは法的に銀行が使っていいとされています（10年放置すると休眠口座扱い）もちろん、10年後以降に引き出しを求めればちゃんと応じてくれます
清算終了とは
しかし、今回のあいりん銀行は厳密にいうと銀行ではないので少し制度が異なり、2022年3月時点で3億円もの休眠口座がありますが、3月末までに整理を行い（清算と呼んでいます）4月以降は返金ができなくなると発表しています。
行政が運営している貯蓄組合ですので、この3億円は個人には返さないにしても「労働者のために使ってほしい」と声が上がっている通り、日雇い労働者のためのインフラ整備にまわっていくと考えられます。
まとめ
勘違いしてはいけないのは、あいりん銀行の役割が縮小していくことはとても喜ばしいことです。日雇い労働者が減少しているという事ですし、その維持に割かれていた税金が不要になるという事です。
あいりん地区だけでなく、ホームレスなどを取り巻く支援環境はNimby=No in my back yard（我が家の庭ではやめてください）と揶揄されるように、言葉では優しい人が多くても実際に手を差し伸べる人は少ないという現実です。私ももっと考えていきたい問題です。それでは！
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